ページ上へ

確定申告が必要になる運用資金の基準

ソーシャルレンディングの利益は総合課税となり、住民税・所得税にて納税しなければなりません。初心者には嬉しい20万円の控除枠があり、株など他投資商品と比べて一概に不利と断言できるものではありません。

税金確定申告

ソーシャルレンディング関連の確定申告

ソーシャルレンディングの分配金で得た利益は雑所得になります。
雑所得は年間20万円の控除額があり、控除枠を超えた部分は総合課税になります。
株などの申告分離課税に比べると税率の高くなるケースはありますが、控除枠があるため少額運用する人にはメリットがあります。

年間20万円以上の利益が出た時は雑所得を確定申告しないといけません。
私は年間約120万円の分配金を受け取り、100万円の雑所得を確定申告しています。
ソーシャルレンディングは税制面のルールを聞いて敬遠する人も多いですが、確定申告は慣れればe-TAXで簡単に申告できますし、すぐに大きな利益の出る投資ではないので、必要以上に構える必要はありません。

確定申告を行う基準

ソーシャルレンディングの利益は雑所得になり、年間の雑所得が20万円を超えると納税義務が発生して確定申告が必要になります。
控除枠の範囲内であれば確定申告は不要です。
仮に平均利回りが5%であれば年間20万円の利益を出すために400万円を運用しないといけません。
分散投資すれば平均利回り10%を超えることはないので、200万円未満の運用であれば確定申告不要の非課税で投資が可能です。
なお、雑所得の20万円控除は他の雑所得も合算されます。
ソーシャルレンディング以外に雑所得のある人は注意しましょう。

雑所得の一例

年金、銀行の利息、アフィリエイトの広告収入、せどり(オークション転売含む)の利益(生活用動産は非課税)、不動産投資、先物取引、FX、仮想通貨の利益、外貨貯金の為替差益、本業ではない原稿料や講演料

ソーシャルレンディングの税率

ソーシャルレンディングは総合課税なので給与所得などその他の所得に合算され、総年収に応じて税率が決まります。
総合課税された利益は所得税と住民税として納税義務が発生します。

住民税は地域によって若干異なりますが道府県民税(4%)と市町村民税(6%)の合計10%程です。所得税は5~45%から控除額を差し引いた金額です。

所得税一覧
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 427,500円
695万円超900万円以下 23% 636,000円
900万円超1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

所得税については、ソーシャルレンディング業者から振り込まれる金額で20.42%の源泉徴収が差し引かれています。
源泉徴収とは、多くの方が払う所得税率を前払いする制度です。
所得税率20%以下であれば払い過ぎた源泉徴収税が戻ってきますし、源泉徴収で足りなければ確定申告をした際に追加の税金を払わないといけません。

私は会社員としての給料で500万円、ソーシャルレンディングで年間約100万円の利益を得ているので年収は約600万円です。
確定申告をした際は源泉徴収から控除額を差し引いた分が若干戻ってきます。
住民税については、年収100万円増えた分、年間約10万円を上乗せされています。

店頭利回りは税引き前

業者によって対応が異なりますが、一般的にソーシャルレンディングの店頭利回りは業者の利益(手数料)を差し引いた実質利回りです。
ただし、実質利回りは源泉徴収税を引かれる前の金額です。
私は毎月約10万円の分配金を受け取っていますが、実際に振り込まれるのは源泉徴収税約20%を差し引かれた8万円ほどです。

20万円以下の利益でも確定申告すれば戻ってくる

ソーシャルレンディングで得た分配金が20万円の雑所得控除の範囲内なら、確定申告することで源泉徴収税の一部が戻ってくることがあります。
20万円以下の雑所得で源泉徴収税の前払いをしているケースはルールが複雑ですが、基本的に控除枠の範囲内であっても所得税の納税義務があります。

ルール上は年収695万円を超えると源泉徴収の税率を超えるので確定申告すると追加納税を求められます。
実際のところは、20万円以下の雑所得を無申告しても問題ありません。
年間20万円以下の雑所得のルールは以下のようになります。

分配金20万円以下の場合に確定した場合
課税所得 還付/追徴課税
195万円以下 源泉徴収で差し引かれた分の15%還付(源泉徴収20%-所得税5%)
195万円超330万円以下 源泉徴収で差し引かれた分の10%還付(源泉徴収20%-所得税10%)
330万円超695万円以下 源泉徴収20%と所得税20%で相殺
課税所得695万円超 源泉徴収20%を超えた税率の部分を追加納税(実際は無申告でもお咎めなし)
経費にできるものはある?

個人がソーシャルレンディングに投資する場合は、基本的にソーシャルレンディングに関連した書籍の購入費用とセミナーの受講料のみ経費として認められます。
パソコンや通信費 (携帯料金、プロバイダ費用)、家賃、電気代は認められません。
ソーシャルレンディンング関連の書籍は少なく、有料セミナーも種類は多くありません。

経費によって節税する方法はゼロではありませんが、多くの人は経費による節税はせず、分配金を直接雑所得として算入しています。
なお、投資金が大きくなれば法人を作って節税対策する方法もあります。
しかしFXや仮想通貨に比べると、ソーシャルレンディングだけのために法人を作る人は少ないです。
他の投資で法人を作っている場合や会社経営をしている方はソーシャルレンディングも法人用口座にした方が節税になる場合があります。

赤字だった場合

万一、ソーシャルレンディングで貸し倒れによる元本割れが起こり、赤字が出た場合でも、雑所得は損益通算で翌年に赤字を繰り越すことはできません。
特定のファンドに全力投資しない限り年間を通じて赤字になることはありませんし、ソーシャルレンディングで元本が1円も返ってこないことはほぼないので、大きな損失を出すリスクは限りなく低いです。
これから始める初心者でも赤字になることはないと思いますが、ルール上は株のように赤字(損失)を繰り越すことはできないと覚えておきましょう。

確定申告の方法

確定申告を行う税務署

確定申告は1月1日から12月31日までの所得や控除申請を翌年2月16日~3月15日(曜日によって多少変動あり)の期日内に管轄の税務署へ申告します。
給与所得のみの人は会社が年末調整で必要な控除、申告手続きをしてくれるので確定申告は不要です。
給与所得者でも雑所得、一時所得、医療費控除、住宅ローン控除申請(1年目)など年末調整で対応できないことがあれば、個別に確定申告をしないといけません。
ここでは、主にソーシャルレンディングで年間20万円以上の利益が出ており、給与所得は年末調整を行い、生命保険控除などを済ませている場合の解説をします。
雑所得以外の申告も必要な場合は、他の手続きにここで紹介するソーシャルレンディングの申告方法をプラスしてください。

準備する書類

ソーシャルレンディングの確定申告は基本的にソーシャルレンディング業者から送付される支払調書と職場から発行される源泉徴収票の2点のみでできます。
職場が年末調整をしている場合でも、確定申告で総所得を申告しないといけないので、源泉徴収表を提出して給与所得の情報を記載します。
そのほか、申告書類が必要ですが税務署で用意されていますし、国税局のホームページからダウンロードすることもできます。

給与所得と雑所得を申請用紙の項目に従って記入していけばOKです。
基本的には雑所得の項目にソーシャルレンディングの支払調書の金額を記載します。
書籍やセミナー代を経費にしたい場合は、領収書のコピーとエクセルやワードで作った簡単な明細書を添えて、経費を差し引いた利益を申告してください。
ほかの雑所得があれば、同様に支払調書や明細を添えて合算して申告します。

手続きの方法

確定申告は主に3種類の手続き方法があります。

1.税務署の相談・サポートサービスを利用する
2.郵送
3.e-TAX

税務署の相談・サポートサービスを利用すれば、手続きに不安のある方でも、必要書類の不備がなければ適切な方法で確実に申告できます。

ただし、確定申告期間中の窓口は非常に混雑して、数時間以上待たされてしまうことも珍しくありません。
よほど不安のある場合や、他の内容でも確定申告する場合はお奨めできますが、雑所得だけであれば、相談・サポートなしでもネットからの情報収集で簡単に確定申告書を作れます。

郵送をする場合は、税務署で申告書類をもらうかネットからダウンロードします。
申請書と添付書類を添えて郵送か税務署に用意されたポストへ投函すれば申告完了です。

e-TAXはネット上で簡単に申告をできますが、ネット環境のあるパソコンのほかに、ICカードリーダライタが必要です。
1,000~2,000円で買えるので、毎年確定申告を行う見込みがあるなら購入してもよいでしょう。

なお、税務署で並んで申告する場合も、スタッフによる確認作業が終わると税務署の用意したパソコンからe-TAXの画面を使って申告と書類発行を行います。
私は確定申告1年目のみ有給を取得して、税務署に並びました。
1回申告すれば要領が分かるので2年目からはe-TAXで申告しています。
雑所得のみの確定申告なら手続きは驚くほど簡単です。

e-TAXのページから必要な情報を入力すると、瞬時に追加納税する税金の有無と金額が出ます。
内容次第では還付金額が表示され、振込先を入力すれば2~3ヶ月で還付金が入金されます。

ソーシャルレンディングの利益は会社にバレる?

住民税を給料から天引きしている会社であれば、確定申告した雑所得を合算した総収入を経理担当者が閲覧できてしまいます。
ただし、雑所得によって年収が上乗せされたことは分かっても、ソーシャルレンディングで得た利益など詳細まではバレません。

投資信託やNISAなど会社員が投資を行うのは当たり前のことですし、不動産を保有していて家賃収入を得ている方もたくさんいます。
仮想通貨で数億円儲けると噂になってしまいますが、ソーシャルレンディングで得た年間数十万円から数百万円ほどの利益だけなら、大半のケースでスルーされます。

もし、経理担当者や上司から問いただされた場合は、ソーシャルレンディングをしている旨を正直に伝えてもいいですし、説明が面倒なら投資信託などと回答して受け流すこともできます。