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元本保証や担保だけにこだわってはいけない

ソーシャルレンディングの担保はメザニンローン中心です。通常はリスクが高い形式ですが、ソーシャルレンディング業者の厳正な審査によって低リスク投資を可能にしています。仕組みを知ることが勝利への近道です。

担保付き案件を見るときのポイント

ソーシャルレンディングの元本保証

ソーシャルレンディングは基本的に元本保証がありません。
投資先のファンド(事業)がうまくいかなかったときは、配当金が支払われないどころか貸し倒れを起こして元本も返ってこないことがあります。
しかし、ソーシャルレンディングは業者がファンドを審査しているので、元本や配当金が1円も支払われないことはありません。

ソーシャルレンディングには、リスクを軽減するために担保付きのファンドがあります。
万一、貸し倒れが起こって催促による回収が困難になったら、ソーシャルレンディング業者が担保を差し押さえて回収を行います。
ただし、担保付きでも100%の元本保証が行われるワケではありません。担保付きファンドであっても抵当権の順位などによって担保の評価額が異なるので注意しましょう。
このページでは、ソーシャルレンディングにおける元本保証、担保、保全についてまとめました。

破綻しても元本の大半は返ってくる?

私は長年ソーシャルレンディングで資産運用していて、投資中のファンドが失敗して元本割れを起こした経験もあります。
しかし、損失が出るケースでも基本的に元本に対して1~2割程度です。
ソーシャルレンディングは基本的に0か100のような事業へ投資することはなく、資金調達できれば確実に利益の出る事業のみ扱っています。
低リスクで人気の高い案件は以下のものがあります。

公共事業、太陽光発電、不動産

公共事業の場合は、着手から入金まで時間がかかるので資金調達が必要になりますが、工事を完成させれば確実に利益が出ます。
公共事業を請け負う業者であれば、多少の工期のズレはあっても確実に仕事を完遂できる技量を持っているので手堅いビジネスと言えます。
太陽光発電は、運用開始した年で当面の電気買取金額が電力会社から保証されるので、適切に運用すればほぼ確実に利益が出ます。
不動産は多少の損失リスクがあるものの、担保ありのファンドが中心なので事業に失敗しても元本の大半は戻ってきます。

ソーシャルレンディングで大損したり、相次いで貸し倒れが発生するケースの大半は、ソーシャルレンディング業者が適切な審査や管理をしていないことで起こっています。
過去の事例を見ると、調達した資金を案内していたものと違う用途に使うなど根本的な問題がありました。
大手ソーシャルレンディング業者を使えば、元本割れを起こしたり、配当の支払い遅延が起こるケースは非常に少ないのです。

ファンドが貸し倒れを起こすリスク
ファンドの返済優先順位

ソーシャルレンディングは事前に利回りを明記していて、利益の全てを投資家へ還元するものではありません。
ソーシャルレンディングの会員から見れば投資になりますが、ファンドからはソーシャルレンディング業者から借入をして資金調達していることになります。
当初の事業計画では、ソーシャルレンディング業者への配当や他の金融機関への借入のほかに、運営元の利益や出資者への配当も計算しています。
当初の計画通りにいかず利益が減少した場合は、運営元の利益や出資者への配当を削って、ソーシャルレンディングやその他の金融機関からの借入を優先的に支払います。
損失が出ている場合も、ファンドが自己資金を削って返済するように努めます。
もし、借入した資金を返済できなくなると、ファンドや事業者は信用情報機関の事故情報に登録されてしまい、将来事業資金を調達するのが困難になります。

さらに、短期間でも返済遅延を起こすと遅延損害金が発生して当初の利息以上の支払いをしないといけません。
これは個人でいうブラックリストのようなもので、借金を返せなくなると遅延損害金や担保の差し押さえをされて、将来に渡って新規借入審査に通らなくなるのと同じです。

たとえば、マイカーローンや住宅ローンで借入をして問題なく返済していたが、転職して収入が下がった場合、生活費を節約してでもローンの返済を続けます。
収入がなくなっても貯金を切り崩してローンの元本と利息を払うものです。万一払えなくなると様々なデメリットが起こるので、自己資金や収入がなくなるまで返済遅延を起こさないように努力するものです。

不動産や有価証券を担保にしていても、返済不能による差し押さえをされると、普通に売却するよりも損をします。

ソーシャルレンディングから借入しているファンドも同じです。特に資金調達することで事業を成立さえているような企業は1件の貸し倒れによって信用を失えば倒産リスクも発生します。
ソーシャルレンディングで貸し倒れが起こるときは、当初予定していた運営者の利益が全てなくなって、さらに自己資金でも対処できないような大失敗した時だけ起こります。
長々と説明しましたが、つまるところソーシャルレンディング業者が適切な運営と審査、管理を行っていれば、貸し倒れリスクは非常に少ないということです。

担保付き案件の注意点

ソーシャルレンディングは案件によって「担保あり」と「担保なし」があります。
担保ありなら安心と思うかもしれないですが、担保が適切な評価額になっていなければいけません。
法人が不動産など事業資金の借入で担保ローンを利用する際は「シニアローン」と「メザニンローン」の2種類あります。
ソーシャルレンディングの場合は、大半がメザニンローンもしくは2つを組み合わせた担保になっています。

シニアローン 不動産であれば抵当権の第1順位など返済される優先順位が高くて担保の保全がしっかりしているもの
メザニンローン 不動産なら抵当権順位が2位以降など優先順位や担保評価が低め、貸し手は金利を高めに設定できる

不動産の抵当権を第2順位まで設定した場合は、原則として第1順位の抵当権を付けた金融機関がシニアローン、第2順位を付けた金融機関がメザニンローンになります。
ただし、メザニンローンは返済される優先順位が低いだけではなく他の抵当権に関係なく金利の高いものを指します。

分かり易い事例として、個人の利用するフリーキャッシングサービスの銀行系カードローンと消費者金融があります。
銀行系カードローンは好条件のもので最大金利9%ほどの商品があります。金利の低い分審査が厳しくて大企業勤務や公務員でないと低金利プランを利用するのは難しいです。

消費者金融は新規利用で利息制限法上限の金利18%を適用されることが多いですが、銀行系カードローンよりも通りやすいです。
ビジネスローンにたとえると、低金利で審査に通りやすい銀行系カードローンがシニアローン、金利は高いけど審査に通りやすい消費者金融はメザニンローンです。

個人向けキャッシングサービスは極端な例えで、実際のシニアローンとメザニンローンは、人や会社ではなく担保に対しての評価で分類されます。
担保の保全が高くて審査は厳しいけど貸し倒れリスクの少ないローンがシニアローン、担保の評価が低いけど高金利を条件に貸付できるものがメザニンローンです。

完全なシニアローンは基本的に銀行融資です。ソーシャルレンディングは担保付きでも高利回りを利用するためにメザニンローンを中心に、一部でシニアローンを組み合わせた担保ローンで構成されています。

案件を見るときは担保の内容を確認しておくようにしましょう。
ただし、担保情報が全て明記されていないことも多く、素人では担保に保全性があるのか情報から判断するのが難しいです。
担保付きファンドは100%安全ではなく、高利回りの担保付きファンドの場合は、担保の評価が低いことを覚えておけば問題ありません。

ソーシャルレンディングは保全しているの?

ソーシャルレンディングの信託保全

ソーシャルレンディング業者の中では、SAMURAI証券のみ銀行を利用した信託保全を行っています。
株式を扱う大手証券会社ではスタンダートなサービスですが、ソーシャルレンディングは大手証券会社系を含めて信託保全しているところは少ないです。

信託保全は、ソーシャルレンディング用の口座に預け入れた資金に対して銀行が保全措置をしているので、ソーシャルレンディング口座の資産を銀行が保証してくれているようなものです。
しかし、SAMURAI証券の場合で見ても保全されるのは口座にお金を入れて運用せずに準備中になっている資金のみです。
運用をはじめると信託保全は終わってしまうので注意しましょう。

株やFXはレバレッジをかける取引をすることもあり、ネット証券になってからは一部の悪質業者が実際に株や通貨の売買をせずに注文を受けて、個人投資家が損をする仕組みを使って利益を出そうとすることがあります。
実際に運用していなければ、利益が出たときに悪質業者は支払い能力がなくトラブルになります。
悪質な仮想売買をしていなくても、利用者に安心感を与えるために信託保全を付けています。

ソーシャルレンディングの場合は、基本的に現物投資としてファンドや事業へ投資する形になり、運用後に銀行の信託保全で元本保証することはできません。
大手証券会社系ソーシャルレンディングなら銀行の信託保全をつけることは簡単ですが、ファンドへ投資する前の準備金のみ保全してもメリットが低いと考えて保全処置を取っていません。

たしかに安全性で見れば信託保全しているSAMURAI証券は高く評価できますが、ソーシャルレンディング業者を選ぶ際に保全しているかを重視して選ぶメリットはありません。
運用前の準備金は悪用しようがないものですし、ファンドへの投資後に当初の目的とは違う用途で使われるケースもあるので、信託保全があれば100%安全というワケではありません。