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過去に販売された2つの農業系ファンド

クラウドクレジットではカメルーン農業支援ファンドを22号までシリーズ販売しました。元本毀損実績はないものの、リスクの高さから途中で期待利回りを変更しています。ビジネスモデルは手堅くても海外ならではの難しさがあります。

発展途上国中心農業系ファンド

ソーシャルレンディングと農業

農業は広大な土地のほか、トラクターなどの農機具が必要な事業です。
日本の農家も資金調達を必要とする需要は高いものの、農協(JA)が農家向けに柔軟審査での貸付をしているため、ソーシャルレンディングの需要は低いです。
これまでに販売された農業系ファンドは、クラウドクレジットの「カメルーン農業支援ファンド」が有名です。
ユーロ建てになりますが為替ヘッジありで、現在まで高利回りの条件で順調な運用をしている実績があります。

ハイリスクだが元本毀損はなし

クラウドクレジットのカメルーン農業支援は2017年12月下旬から2018年1月にかけて、22号のファンドを販売しました。
シリーズ化で元本償還実績も豊富ですが、過去のファンドでは予定利回りを下回った案件が多数あります。
事業内容はカメルーンでのカカオ栽培に関する新規開業です。

カメルーンは世界有数のカカオ生産国で日本への輸出需要も高いです。
内戦の影響が残っていて、土地や環境はあるけど設備の問題で農業をできない貧困層を支援する社会貢献もできるファンドです。
日本のような悪天候によって不作になるリスクは低いものの、現地の情勢や為替差損の出るケースもあるためリスクの高いファンドです。
それでも、過去に元本毀損が起こったことはなく、リスクの高さから第1号ファンドは期待利回り9.4%だったところ、第22号ファンドでは12.2%に上昇しました。

おそらく現地での貸付利率の見直しがあったのでしょう。
満期一括返済で、期待利回りを下回ることも多いですが、期待利回りや元本毀損リスクを考えると投資価値のある案件だったと評価できます。
ソーシャルレンディングの中ではハイリスクなファンドに分類されるので、全力投資はオススメできません。
利回りが高いので分散投資の一環で少額運用する分には問題のないファンドです。

現在は農業関連のファンドがない

カメルーン農業支援ファンドは第22号までのシリーズ化されましたが、最後の募集は2018年1月22日に募集終了した22号ファンドで、そこから新たな販売をしていません。
主に農機具などの設備投資の資金調達が目的なので、資金調達を求めている農家や起業家が一巡したことを予想されています。
世界には農業に関連した資金調達の需要が多数ありますが、ソーシャルレンディング会社は、リスクを理解して現地調査を行って慎重な審査をしているのでしょう。
農業関連ファンドは事業カテゴリーとして見ると実績が乏しいです。
ただし、信頼できる大手ソーシャルレンディング会社が新たな農業系ファンドの販売を行った時は信頼できる案件として積極的に検討する価値があります。

クラウドクレジット・カメルーン農業支援ファンド22号
https://crowdcredit.jp/fund/detail/350

maneoのカンボジア農業支援ローン

農業関連のファンドでは、maneoがカンボジアへの農業支援ローンを販売した実績があります。
円建てで利回り5%の条件でしたが、100%達成し完済された実績もあります。
ただし、このファンドは2013年のもので、その後maneoから農業系ファンドを販売した実績はありません。

ちなみにmaneoの「o」の中にカエルを描いていて、公式サイトの中にもイメージキャラクターのような形でカエルが多数登場しています。
カエルは雨を呼ぶ動物として農業と深い関わりがあり、東南アジアでは財産の神様として崇拝されています。
「お金が返ってくる」といったニュアンスの語呂合わせの意味も併せ持っていますが、私の憶測ではmaneoは当初、農業系ファンドを多数扱いたかったのではないかと捉えています。
積極的な農業支援ファンドを模索した結果、これまでカンボジアの案件しか実現しなかったのであれば、今後も農業系ファンドの普及する可能性は低いかもしれません。

【UBIfinance第44弾】カンボジアへ円建て投資・農業支援ローンへの投資
https://www.maneo.jp/apl/auction/detail?id=3140