
人気の高いファンドや業種の条件
投資先事業の 種類と 特徴

ソーシャルレンディングには幅広い投資先事業があります。
業者によっては不動産投資を専門にするなど特定の分野に特化した運営を行っています。
業種によってリスクや平均利回りが変わってきます。主要な投資先事業の特徴や過去に募集されたファンドの事例をまとめました。
事業カテゴリーだけではなく案件ごとの信頼性を重視して判断しないといけませんが、適切な投資判断をするには融資先事業の特性を理解しておくことも重要です。
不動産投資や不動産担保ローンなどの定番事業をはじめ、農業、IoT事業、公共事業などの珍しい案件まで幅広く紹介しています。
投資先事業における業界全体の市場規模や将来性だけではなく、業界ならではのリスクや特性を理解しておくことが大切です。
ハイリスクに感じる内容でも融資先のファンドに対して厳選な審査を行っているソーシャルレンディング会社であれば信頼性は高いです。
手堅いように見えるビジネスモデルでも、高利回りに設定している場合は何かしらのリスクを抱えていることになります。主要な貸出先の抱えるリスクや元本毀損の起こった事例まで詳しく掘り下げて解説しています。
物件取得よりも低リスクで手軽な不動産事業

ソーシャルレンディングの不動産事業は、主に物件取得代金ではなく諸費用や運用開始するまでの運転資金の調達を目的にしています。
本来は賃貸によって数十年かけて投資金を回収するビジネスモデルですが、運用開始までの資金に限定することで、1~2年の短期間運用が可能になります。
銀行などの金融機関は担保設定できる部分については低金利で貸付しますが、諸費用やつなぎ融資に関する部分は高金利で審査に時間のかかることからソーシャルレンディングで資金調達する需要があります。
プロが選定する物件は損失リスクが非常に少なく、自分自身で物件を取得する不動産投資に比べてリスクや手間が少ないメリットがあるため、サラリーマンの副業に向いています。
元本毀損0円の実績を持つオーナーブックなど、不動産事業を専門にする優良業者が多いことも人気を集めている要因です。
運用開始までのスピードが重要な再生エネルギー

再生エネルギーはメガソーラーをはじめ、水力、風力、バイオマスなどの発電事業への貸付を行っています。
再生エネルギー事業は長期間かけて設備投資費用を回収するものですが、ソーシャルレンディングは主に設備認定を受けた直後の「つなぎ資金」で活用されています。
メガソーラーの場合、電力会社から20年に渡って電力買取価格を保証されます。
電力買取価格のレートは減少傾向が続いているので、設備認定を受けてから1日でも早く運用を開始するためにソーシャルレンディングで資金調達をして設備投資をスタートさせます。
平行して銀行融資の手続きも行い、本融資が実行されたら元本償還をされる流れです。
銀行融資を受けるまでのつなぎ融資のため、取得する用地の抵当権が第1順位になることや、再生エネルギー事業は銀行融資を受けられないリスクが低いため手堅い案件です。
再生エネルギーを専門にするグリーンインフラレンディングの不適切運営によってネガティブなイメージが付いてしまったカテゴリーですが、正しい使途で活用すれば損失リスクが極めて低い事業です。
今後の成長と案件増加を期待できるIoT事業

IoTとは「Internet of Things」の略で和訳すると「モノのインターネット」です。
インターネット技術を応用して革新的なビジネスを提供する事業ですが、新しい挑戦になるため事業に失敗すれば損失を出してしまいます。
ソーシャルレンディング会社もリスクを認識してファンドの審査を慎重に行っているため、IoTに特化したファンドの募集実績は少ないです。
過去にはSBIソーシャルレンディングとトラストレンディングの信頼性が高い大手2社がIoT事業に特化したファンドを募集した実績を持ちます。
事業の本質を見極める必要性が高く、初心者には難易度の高い融資先になりますが、今後の成長を期待できるカテゴリーです。
IoT事業のファンドを見極める判断力を身に付ければ、将来の投資に役立つでしょう。
意外にハイリスクではない海外事業

海外事業は主にアメリカを中心にした不動産投資と新興国への事業投資の2種類があります。
為替ヘッジの有無やカントリーリスクなど、海外事業ならではの特性を理解した慎重な投資判断を求められます。
海外事業ならではのリスクがあるのは事実ですが、ソーシャルレンディング会社は慎重な審査を行っていることから、過去に海外事業関連で長期的な返済遅延や大きな元本毀損の起こった事例は意外に少ないです。
アメリカの不動産投資は日本よりも民間の不動産評価システムが進んでいることや、担保設定した不動産の抵当権を踏まえた評価の詳細を公開するなど、国内事業以上にシッカリしている部分もあります。
初心者が全力投資することはオススメできませんが、敬遠せずに分散投資の一つとして初心者にも積極的に検討してもらいたい事業先です。
担保ありで安心してはいけない不動産担保ローン

不動産担保ローンは、土地を取得して整地やマンション、商業施設などを建設して売却する開発目的の不動産事業と、銀行や信販会社の扱う不動産担保ローンと同じ事業融資の2種類があります。
担保なしに比べると不動産担保があることは評価できますが、ソーシャルレンディングでは差し押さえできる取り分が少ない抵当権第2順位の担保設定になっていることもあります。
担保を差し押さえしても、元本を100%保証されるのは難しく長期に渡る支払い遅延が発生します。
担保の信頼性を判断するだけではなく事業の本質もしっかり見極めるようにしましょう。
過去には不当に高い担保評価額を表示する不正が起こった事例もあるので、不動産担保ローンはソーシャルレンディング会社の選定が重要です。
運用トラブルの起こったファンドの多くは、担保設定しているにも関わらず9%以上の高利回りを提示していた共通点があります。
融資を受ける事業者から見ても、担保を入れて高金利の貸付条件になるのであればソーシャルレンディング会社を使うメリットがありません。
担保の信頼性を見極めることと、高利回りファンドは落とし穴があることを疑って慎重な投資判断をすれば手堅い投資ができるでしょう。
農業はソーシャルレンディングを利用する需要が低い

農業は資金調達を必要にする業種ですが、農協(JA)を利用する需要が高いため、一般の農家や農業法人がソーシャルレンディングを活用する需要は低いです。
過去の募集実績では、カメルーンやカンボジアに向けた新規開業資金への貸付を目的にしたファンドになっています。
運用実績は高いもののカントリーリスクが高く、ソーシャルレンディング会社が慎重な判断をしている印象を受けます。
国内のパイオニア的存在のmaneo(マネオ)は「o」の中にカエルを描いてイメージキャラクターとして扱っています。
カエルは雨を呼ぶ動物として農業と深い関わりがあり、東南アジアでは財産の神様として崇拝されていることからカエルをモチーフにしています。
当サイトの見解では、maneoは当初農業への貸付を積極的に行おうとした結果、新興国への農業投資は弊害が多くて難しい結論になったと見ています。
農業系投資はオートマチック化で注目を集めていますが、新規募集ファンドが募集された時には慎重な投資判断をしてください。
クリック合戦必須の公共事業

公共事業は道路、役所などの公的施設の建設、公共事業関連の大型船舶建造、原発事故関連などが代表的な事業内容です。
発注者が公的機関なので非常に手堅い案件です。
ソーシャルレンディングでは主に受注の決まった事業の「工事準備費用」で借入をしています。
受注が決まったらすぐに事業投資が必要になる中で、工事準備費用を目的にした銀行融資は審査が厳しくて時間のかかるデメリットがあります。
そこでスピーディーに資金調達をできるソーシャルレンディングを活用する需要が発生します。
本格的な事業費用は銀行融資で賄うため、本融資が実行されたタイミングで元本償還される流れになります。
公共事業を扱う企業への株式投資は受注状況によって株価下落のリスクがありますが、ソーシャルレンディングは受注の決まった公共事業への貸付をするので損失リスクが非常に低いです。
数あるソーシャルレンディング会社の中で公共事業を扱うのはトラストレンディングのみです。
トラストレンディングの運営会社は財務省出身者が3名在籍していて、独自のネットワークで案件を持ってきています。
手堅くて高利回りのファンドが多数あるため、ファンドの募集が始まるとクリック合戦が行われています。