沖縄発の不動産担保ローンファンド
Pocket Funding(ポケットファンディング)は
沖縄の 地域密着型ソーシャルレンディング会社
一部で早期完売ファンドもあるローカル業者
ポケットファンディング(Pocket Funding)は沖縄発のソーシャルレンディング会社です。
沖縄とアジアを中心にした事業展開を明記していますが、現状は沖縄県内の不動産担保ローンを中心に扱っています。
後発組で規模が大きい会社ではないですが、抵当権第1順位を中心にした不動産担保ローンで安定した運営を続けています。
平均利回りは不動産担保ローンの中では低めですが、不動産担保による保全をしっかり行った低リスクのファンドのみを扱い、2019年2月25日現在まで貸し倒れ・遅延なしの運営を続けています。
コンセプトは不動産評価額の70%以下の貸付にすることで物価および地価変動による損失リスクを回避しています。
担保評価の算出方法や第三者機関の利用状況を明記していないので安心できませんが、担保評価をしっかりしていることを前提似考えれば事業に失敗しても、担保差し押さえで元本を回収できるビジネスモデルです。
一部で評価額70%以上の貸付も行っていますが、担保評価が大きい理由を説明しています。
不透明要素があるものの、運営実績が付いてきたことで着実に人気が高まっています。
軍用地担保ファンドが大人気
ポケットファンディングの目玉になっているのが軍用地担保ファンドです。
軍用地の価格は、一般的な「坪単価×坪数」ではなく「年間借地料×倍率」の特殊な計算方法で価値が決まります。
借地料は毎年2%のペースで上昇を続けていて、過去10年で20%アップ、値下がりした事例は一切ありません。
沖縄ならではの軍用地担保の不動産担保ローンは、毎回早期完売する人気を集めています。
なお、ポケットファンディングは関連会社の「株式会社財全ソリューション」が不動産担保ローン事業を手がけています。
同社の公式ページでは、軍用地担保ローンの主な活用事例として、軍用地を持っている個人や法人が新たな事業の運用資金を活用する際に、軍用地を売却するのではなく評価額が高く将来の賃料値上げを見込んで不動産担保ローンで資金調達する方法を紹介しています。
評価額が高く将来の値上がりが濃厚な軍用地担保ローンは長期遅延やデフォルトを起こしやすい状況で借入する人が少ないです。
つまり、借り手の質が高くて担保を守ろうとする意思が強いため、一般的な不動産担保ローンよりも安全性が高いです。(管理人の個人的な見解)
ポケットファンディングの注意点
ポケットファンディングへの投資は以下の注意点を理解した上で慎重に検討してください。
- 事業内容の開示が少ない
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不動産担保評価を大きくアピールしていますが、貸付先事業の内容がほとんど開示されていません。
- 担保評価の信憑性が不明
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担保評価は運営会社独自の算出です。30%の保全をアピールしていますが、他社で適切な担保設定をしていなかった事例があるので、担保差し押さえ→売却で元本が100%返ってくるとは限りません。
- リファイナンスが多い
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運用期間は6~12ヶ月の短期が中心ですが、最近の新規募集ファンドを見るとリファイナンス(借り換え)の比率が高いです。
事業内容に不透明要素があるので、慎重に判断しないといけません。
ただし、財全ソリューションは最大35年の不動産担保ローンを扱っているので、想定外のリファイナンスではなく元々借り手は長期借入をしていて、ポケットファンディングが意図的にリファイナンスを繰り返している可能性があります。
実績を伴ってきた
ファンドの担保情報など開示情報が少ない運営を続けていますが、元本既存・遅延なしの運営を続けています。
2020年8月現在は、累計397件のファンドを募集して償還済みは339件です。運用中ファンドを含め、これまで返済トラブルを起こしていない運営を続け、少しずつ人気が高まってきた印象を受けます。
大手に比べると規模が小さくて乏しい実績ですが、ポートフォリオの一つとして少額を分散投資する程度なら利用価値がありそうです。
管理人の総評クリーンでオープンな運営を求める -
相次ぐソーシャルレンディング会社の不適切運営や大量遅延の問題から、運営事業者の信頼性を重視する動きが強まっています。
ポケットファンディングは運営実績に伴って人気を高めていますが、借り手の情報をもっとオープンにして欲しいのと、不動産評価額の算定が営業者独自の計算になっている点が不安です。
業界の変化に合わせて、もう少しクリーンでオープンな運営をしてくれれば優良業者に認定できます。目の届く範囲のエリアを限定して、地域密着型で沖縄ならではの特性を理解している不動産担保ローンは魅力的なビジネスモデルです。
本州をはじめ大都市とは違う地域性もありますが、地方に特化したソーシャルレンディング会社の中では期待しています。
ただし、事業詳細に触れず担保評価の信憑性が不明な現在の運営スタイルのうちは様子を見ようと思っています。