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安全だけど課題もあるオーナーズブック

3名からスタートした不動産テックを扱ったロードスターキャピタルは創業5年で上場を達成し、ソーシャルレンディングのオーナーズブックの品質と信頼性も大幅に高まりました。現在は独自のAI鑑定で物件選定をしています。

OwnersBookは元本毀損0円

オーナーズブックのスクリーンショット画像
商標名
OwnersBook(オーナーズブック)
運営会社
ロードスターキャピタル株式会社(東証マザーズ上場)
会社設立
2012年3月14日
サービス開始
2014年9月
資本金
1,402,000,000円
(資本準備金とあわせて27億9,400万円)
累計応募額
195億円以上(2020年12月現在)
会員数
2.2万人以上
平均利回り
2.0~6.0%
主要案件
不動産投資、US非上場eREIT
最低単価
1万円~
オーナーズブック公式サイトはこちら

元本毀損0円で抜群の安定性

オーナーズブック(OwnersBook)は2014年9月に国内初の不動産特化型ソーシャルレンディングとしてスタートしました。
現在は複数社ある不動産系業者の中でも1番人気になっています。
扱っているのは銀行融資で足りなかった部分を補うメザニンローンが中心で、ミドルリスク・ミドルリターンの投資を提供しています。
創業メンバーには不動産投資のスペシャリストが集い、東京都内を中心に信頼性の高い案件のみを扱うことで元本毀損0円、長期延滞なしの安定感を見せています。
口コミで広まっていき、現在はファンド募集すると早々に申込金額に達成するクリック合戦が行われています。

追記情報① 募集ファンドの急増&抽選方式導入によって投資のハードルが下がった

オーナーズブックはファンドの募集開始と同時に即完売するクリック合戦の状況が続いていましたが、2019年に入ってから抽選方式の導入が行われ、より手軽に投資できるようになりました。

また、累計応募額は2018年9月現在、約70億程度だったのに対して2019年9月には130億円以上へ急増しました。
約1年で累計応募額が2倍近くに増加していて、ファンド単体の募集額1億円以上。
申込者数500人以上の大きな案件を取り扱う頻度が増えてきました。

私自身も2019年に入ってから格段に投資するハードルが下がったことを実感しています。
ちなみに、2019年9月13日に募集した「大阪市中央区ホテル素地第1号第1回ファンド」では先着方式で7.5億円を募集して、約24時間で満額成立しました。(最初の1分で2.5億円獲得。現在もオーナーズブックを徹底マークしている投資家がたくさんいるようです)
このように、募集開始から24時間以内に申し込めば確実に投資できるファンドもちょこちょこ出るようになりました。

追記情報② 遅延&デフォルトが発生

オーナーズブックは運営開始以来、4年以上にわたって遅延&元本既存0円の運営実績を誇っていましたが、2019年7月にオーナーズブックでは初の遅延&ファンドのデフォルト案件が発生しました。
問題が発生したのは2019年3月に募集して同年7月に初回の配当支払を予定していた「江東区商業ビル第一号ファンド」です。
オーナーズブックは当該ファンドの貸付先企業が破産手続きに入ったことで、配当分配や元本返済が遅れるリスクが高まったことを発表しました。

募集時の状況では、江東区商業ビルは駐車場措置義務違反の建築基準法に違反する可能性がある物件ですが、オーナーズブックは違法物件の可能性を持つことを考慮した不動産担保評価を行っています。
担保差し押さえから不動産担保評価額12.6億円に対して、銀行のシニアローン(8.6億円)とオーナーズブックのメザニンローン(0.8億円)を足した9.4億円以上の回収ができれば100%の回収および遅延損害金等の支払いまでできる計算です。

今回の遅延・ファンドのデフォルトによる回収対応によっては、オーナーズブックの信頼度はさらに高まる可能性もありますが、初回配当を払う前の段階でデフォルトしたため、回収困難な状況になれば他のファンド募集にも大きな影響が出そうです。
なお、2019年6月30日付けの利息については連帯保証人が支払い、投資家へ還元されました。

その後に募集したファンドの応募状況や、運営会社(ロードスターキャピタル)の株価にも大きな影響はなく、投資家からはネガティブに捉えられていない様子です。

2020年2月26日付で借入金の全額弁済及び当該期間の利息の支払いをそれぞれ受けました。利息を含めた回収を100%できた点は流石の一言です!

都内の好立地物件に特化

オーナーズブックが扱う物件は東京23区内の好立地物件が中心で、募集要項で物件の概要が紹介されています。
詳しい番地はソーシャルレンディングのルール上、非公開になっていますが所在地の区や築年数など物件概要の詳細を公開したクリーンな運営を行っています。
扱っているファンドはマンション一室を担保にしたメザニンローンが中心ですが、空室率の低い物件のみを扱うことで抜群の安定感を誇っています。
1回の募集金額が少ないのもクリック合戦になる要因で、2019年1月まで約150のファンドを募集して71億円の累計応募額を達成しています。
運営期間が長く、すでに元本償還完了したファンドも多数あります。
過剰資金のできた時に、すぐに応募できる安定感はありませんが、手堅い投資をしたい方にオススメです。

平均利回りが低下

オーナーズブックの平均利回りは2.0~6.0%です。
最後に利回り10%超えを達成したのは2016年11月に応募した6か月の短期案件(14.6%/年)です。
それ以降は利回り6.0%/年以下の案件が中心になっています。
他社で相次ぐ不祥事の起こったことをキッカケに審査基準を厳しくして、高利回りを条件にした貸付を慎重に行っている様子です。
高利回りにこだわらず安定感を売りにして会員を増やした環境の変化も影響しているのでしょう。
幅広い投資家から支持される業者である一方で、オーナーズブック一本で運用する人は減少傾向です。

人工知能査定のAI-Checkerを開発

運営会社のロードスターキャピタルは人工知能で、様々な角度からオフィスビルのキャップレート、そして不動産の価値を算出する「AI-Checker」を開発して一般公開も行っています。
ロードスターキャピタルの投資判断にも重要な影響を与えていて、熟練スタッフとAIの双方から高精度の不動産鑑定を行い、信頼できる物件のみソーシャルレンディングのファンドで資金調達しています。
不動産とテクノロジーを融合させた「不動産テック」に強い思いを持っていて、上場して集めた資金を品質向上の目的で積極的な設備投資をしています。
2012年に同じ志を持った3名が12坪の小さいオフィスでスタートしたベンチャー企業が、創業から僅か5年の2017年に上場を果たしたのは、市場のニーズを捉えて高品質で安全なサービスを提供してきたからです。

US非上場eREITを取り扱い開始

2019年10月にオーナーズブックとしては初の海外不動産になる「US非上場eREIT第1号ファンド」取り扱いしました。
名称にある通り、アメリカの非上場eREITへ投資する内容で、貸付型ではなく実際の運用実績で配当が変動する出資方式(エクイティ)になっているのが特徴です。

最低募集金額50万円だったこともあり満額成立とはなりませんでしたが、国内不動産のソーシャルレンディングで高い実績を誇るオーナーズブックが扱う案件ということで、著者は非常に注目しています。
2020年8月現在、2号ファンドの募集はありませんが、1号ファンドの運用実績によってはオーナーズブックの運営スタイルと活用方法が変わっていくかもしれません。

管理人の総評安全性は業界ナンバーワン

これからソーシャルレンディングを始める人は、最初の投資で失敗したくないと思っていることでしょう。
過去に受け取った分配金(累計含み益)を作ってから、高リスク高利回りのファンドへの投資を検討するのがセオリーです。
オーナーズブックはファンドの募集頻度が少なく、毎回早期完売になりますが、貸し倒れリスクの低さと過去の実績は業界トップです。
2017年に上場を果たした事で運営会社の信頼性はさらに高まりました。
残念ながら2019年に貸付先ファンドがデフォルトを起こすネガティブな事例も発生しましたが、銀行を併せた貸付額に対して100%以上の担保設定をしています。
そして利息を含めて全額償還を行ったことで、改めて信頼性の高さを実感できる出来事になったと評価しています。
このように遅延事例はできたものの元本既存なしの運営を継続していて、現在もソーシャルレンディングをするなら必ず会員登録をしておくべき超優良会社の評価に変わりはありません。
募集するファンドの平均利回りは低下していますが、それだけ安全性の高い証拠です。
ファンドの募集頻度や大型ファンドの比率が高まっているので、会社員の副業としてソーシャルレンディングを検討している方は、オーナーズブックへの登録を積極的に検討してみてください。

オーナーズブック公式サイトはこちら