
大手の参入で初心者の利用価値が半減
maneoは中級者向け?特徴と利用時の注意点

- 募集停止中
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maneoは2018年7月に業務改善命令を受け、その後も管理体制を見直しながら運営を続けてきましたが、改めてもう一段階の募集勧誘体制の整備を図りたい理由で2019年7月より全ファンドの募集を停止しています。
その後は2019年9月に株式会社日本保証とパルティール債権回収株式会社。同年10月にSAMURAI&J PARTNERS株式会社と業務提携を発表するなど、基盤の強化を図っています。
2019年12月現在、maneoグループ全体で募集停止の状態が続いていますが、自主的な停止で着実なパワーアップをしている様子なので、ファンド募集が再開された際の対応には期待できそうです。
ソーシャルレンディングのパイオニアで実績No1
maneoは2008年10月に日本初のソーシャルレンディングとしてサービスを開始しました。
業界のパイオニア的存在で、累計応募額・会員数ともに業界1位かつ、新規案件の取り扱い件数も業界トップクラスです。
案件が豊富なので、運用額が大きくて分散投資したい方に最適です。
多彩な業種のファンドを扱っていて、これまで募集したファンドの総数が多いことも関係していますが、過去に返済遅延や元本毀損を起こした事例もあります。
返済の滞るファンドの割合は低く、貸し倒れが起こりそうな時も担保の差し押さえや売却状況などを逐次報告しているので、運営会社としての責務はしっかり果たしていたと評価できます。
常時募集中のファンドを複数件用意しているので、お金に余裕ができた時にどんどん追加投資したり、運用金が大きくて定期的にファンドへ応募しないと寝てしまう資産の大きい人にオススメです。
maneoで扱っているファンドは全て安全というワケではないので、ファンドごとの信頼性を判断して投資する必要があります。
業界初のステータス制を導入
2017年10月16日にソーシャルレンディング業界では初のステータス制を導入しました。
会員の保有資産に応じてランク分けして、特定のファンドのみ応募できる会員を制限する制度です。
新規会員とベテラン会員を差別化する取り組みに反発する声もありましたが、会員数が多くなると管理も大変になるので必要な取り組みです。
将来的には会員の増えた他社もステータス制を導入するかもしれません。
maneoでは保有資産に応じて以下の会員に区分されています。
ダイヤモンド | 3,000万円以上(1年) |
プラチナ | 1,000万円以上3,000万円未満(6か月) |
ゴールド | 500万円以上1,000万円未満 |
ブロンズ | 100万円以上500万円未満 |
レギュラー | 100万円未満 |
()内は保留期間で、一度プラチナ以上に認定されると、その後は残高を下回っても保留期間は会員ステータスを維持できる制度です。
ルール上は新規会員でも一度3,000万円預けて、ダイヤモンド認定されてから資産の大半を引き出しても1年はダイヤモンド会員を維持できます。
ブロンズ以上に限定して公開されるファンドの数は少ないですが、募集開始数分で完売になる人気案件が出ることもあります。
レギュラー会員向けのファンドも、利回りに対してのリスクは上位会員ランク限定案件と大きな違いはありません。
私の知る限り、ブロンズ以上の限定案件で貸し倒れの起こった実績はありません。ただしステータス制が導入されてからの期間が短いので、上位ランク限定案件なら安全だと言い切ることはできません。
できればゴールド会員以上を目指したい
2019年1月に募集していた事業性資金支援ローンファンド(案件1:C社、案件2:AN社)では、会員ランクに応じて利回りと運用期間に差をつけていました。
- 1415号
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会員区分:なし(レギュラーで応募可能)
運用期間:2カ月
利回り:8.2%
- 1416号
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会員区分:なし(レギュラーで応募可能)
運用期間:3カ月
利回り:8.4%
- 1417号
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会員区分:なし(レギュラーで応募可能)
運用期間:4カ月
利回り:8.6%
- 1418号
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会員区分:ブロンズ以上
運用期間:5カ月
利回り:8.8%
- 1420号
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会員区分:ゴールド以上
運用期間:6カ月
利回り:8.9%
同じ融資先のファンドですが、5カ月以上の長期はブロンズ以上でないと応募できません。
運用期間が長いほど利回りも優遇されています。
これだけ見ると、レギュラー会員が不利に見えますが、私がチェックした際に進捗で一番進んでいたのは2カ月運用の1415号でした。
同時募集をしていることから、運用期間が短いと優先して元本償還が行われるため、安全性が高いと評価されたのでしょう。
2番目はゴールド会員以上の1420号でした。投資家1人あたりの単価が大きいことが予想されます。
ただし、1420号は運用期間が長いため、事業に失敗した際は返済遅延や元本毀損の起こるリスクが高いです。
会員ランクが高いと対象案件や運用期間、利回りの選択肢が広くなりますが、レギュラー向け案件が上位ランク限定案件より劣っているとは言いきれません。
プラットフォームを外部に提供
ソーシャルレンディングを行うには第二種金融商品取引業の登録をしないといけません。
maneoでは、プラットフォームを他社に提供し、maneoが募集元になる複数の派生ブランドを用意しています。
maneoは運営会社のmaneoマーケット株式会社が独自にファンドの募集をするサービスです。
派生するサービスは提携会社が案件の選定を行い、maneoの審査に通過してから、maneoのプラットフォームを使い独自サイトで募集しています。
サービス提供元はmaneoになるので、関連サービスで問題が起こるとmaneoが行政処分を受けます。
管理人の総評最大手の巻き返しに期待 -
初心者は業界最大手の看板に弱いです。以前はソーシャルレンディングをするなら最初に登録するべき業者と紹介していましたが、大手の参入も相次いで、元本毀損率の低いサービスもある中で、maneoからソーシャルレンディングデビューするメリットは薄れています。
SBIや不動産特化型の大手にシェアを奪われていたことも、一度ファンド募集を停止してシステムの立て直しを図っている要因でしょう。
募集停止前は投資価値が薄れていたのが現状ですが、最大手のソーシャルレンディング会社なので、募集再開をする時にはリスク管理を徹底したシステムになるのではないかと期待しています。
当サイトでは、maneoがファンド募集を再開したら、フラットな目線で再評価を行う予定です。
