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経験豊富な常勤役員と資格保有者が必須

ソーシャルレンディング会社には金融取引業で第一種と第二種の会社があり、信頼性は第一種の方が高いですが第二種でもネガティブに判断する必要はありません。第一種を持っているところは証券会社としての運営もしています。

サービス運営に必要な資格

金融取引業の許可を管轄する金融庁

ソーシャルレンディングのサービス運営には、金融庁へ第二種金融取引業の登録をすることと、都道府県もしくは財務局長へ貸金業者の登録をする必要があります。
投資家に対しては金融サービスを提供し、借り手側企業に対しては貸金業者として2つの顔を持つため、必要な資格も2つ必要です。
それぞれ厳しい登録および認可基準を設けているため、ソーシャルレンディングは事業規模と資金力の大きい会社しか参入できません。
運営母体が証券会社の所は、第一種金融取引業者の登録をしているケースもあります。
登録の難易度が高いだけではなく、登録を受けた後は金商品取引法と貸金業法に則って適切な運営を行う必要があります。

規模や資格の保有状況はそれほど重要ではない

ソーシャルレンディング会社を選ぶ際に登録情報をチェックするのは重要ですが、投資家目線で見た場合、ソーシャルレンディング会社の資金力が高くても、ファンドが貸し倒れを起こした際にソーシャルレンディング会社は保証してくれません。
会社の規模や保有している資格・登録内容で信頼性を判断できます。
第一種金融業を取得している所や資本金の大きい会社の方が信頼性は高いですが、運営会社の規模は小さいけど親会社の規模が大きい場合もあります。
ソーシャルレンディングだけを行う場合は事業要件によって第一種金融取引業を取得すること自体が難しいので、第二種のみでも問題ありません。
ソーシャルレンディング会社は以下の情報をチェックして判断しましょう。

金融取引業と貸金業の登録を受けている正規業者であること
金融取引業が第一種か第二種か
親会社の会社規模や財務体制
ファンドの募集方法
ファンドへの審査基準
管理体制
扱っているファンドの本質
過去の不正、貸し倒れ情報など

第二種金融取引業の登録要件

許認可者 金融庁
最低資本金 1,000万円以上
純資産額要件 不要
自己資本要件 不要
主要株主規制 なし
目的

信託受益権の売買、売買の媒介、募集の取扱い(媒介)など、又は、ファンドの自己募集、募集の取扱い(媒介)などを業として行うこと

経営者

経歴及び能力等に照らして、金融商品取引業者としての業務を公正かつ的確に遂行することができる十分な資質を有していること。

常勤役員

金融商品取引法等の関連諸規制や監督指針で示している経営管理の着眼点の内容を理解し、実行するに足る知識・経験、及び金融商品取引業の公正かつ的確な遂行に必要となるコンプライアンス及びリスク管理に関する十分な知識・経験を有すること

法令順守部の責任者

金融機関のバックオフィス経験者、行政書士や司法書士などの資格を持っている方が適任

コンプライアンス担当者

営業部門とは独立してコンプライアンス部門(担当者)が設置され、その担当者として知識及び経験を有する者が確保されていること

構成

行おうとする業務の適確な遂行に必要な人員が各部門に配置され、内部管理等の責任者が適正に配置される組織体制、人員構成にあること

登録拒否要件

① 登録を取り消され5年を経過しない者
② 一定の金融犯罪の罰金刑執行後5年を経過しない者
③ 他に行う事業が公益に反すると認められるもの
④ 法人である場合、役員または一定の使用人が次に該当する場合

イ.制限能力者
ロ.破産者
ハ.禁固以上の刑執行後5年を経過しない者
ニ.役員として勤務した法人が登録等を取り消され5年を経過しない者
ホ.登録を取り消され5年を経過しない者
ヘ.解任を命ぜられ5年を経過しない者
ト.一定の金融犯罪・暴力団犯罪の罰金刑執行後5年を経過しない者

⑤ 金融商品取引業を適格に遂行するに足りる人的構成を有しない者

第一種金融取引業との違い

登録拒否要件等は第二種金融取引業と共通です。
第一種金融取引業は流動性の高い有価証券の売買・勧誘、引受け、店頭デリバティブ取引、資産管理などを行う業務などに必要です。
簡単にまとめると株やFXなどを扱う証券会社に必須の資格です。

取得要件の違い
※()内は第二種金融取引業の要件
株式会社:必須(不要)
最低資本金:5,000万円(1,000万円)
純資産額要件:要(不要)
自己資本要件:要(不要)
主要株主規制:あり(なし)

主要なソーシャルレンディング会社では、クラウドバンク(日本クラウド証券)とSAMURAI証券が第一種金融取引業の登録を受けています。
グループ会社に大手ネット証券会社を持つSBIは独立した子会社によってSBIソーシャルレンディングを運営していて、金融取引業の登録は第二種のみです。

貸金業の登録要件

許認可者 都道府県(1つの都道府県内のみで営業)/財務局(2つ以上の都道府県で営業)
最低純資産額 5,000万円以上
常勤役員 貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者がいること
貸金業務取扱主任者 試験に合格し主任者登録を行った者を営業所毎に設置
設備 営業所又は事務所を設置し、固定電話を設置していること
必要な体制の整備

ア、定款又は寄付行為の内容が法令に適合していること
イ、常務に従事する役員のうちに、貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者がいる
ウ、営業所等ごとに貸付けの業務に1年以上従事した経験を有する者が常勤の役員又は使用人(従業員)として1人以上在籍している
エ、資金需要者等の利益の保護を図り、貸金業の適正な運営に資するため十分な社内規則を定めている

登録拒否事由

成年被後見人又は被補佐人
破産者で復権を得ない者
登録取消しの日から5年を経過しない者
禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
貸金業法又は貸金業に関連する法律等に違反し、罰金の刑に処せられその刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
貸金業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として内閣府令で定める者
未成年者
暴力団員等がその事業活動を支配する者
暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある者

運営に最低限必要な要件

第二種金融取引業と貸金業の双方の登録要件をまとめると、ソーシャルレンディングのサービス運営をするには最低限、以下の要件を満たしておく必要があります。

最低資本金 5,000万円
金融商品取引業者としての業務を公正かつ的確に遂行することができる十分な資質を有している
金融業者として実績のある常勤役員がいる
貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する常勤役員がいる
金融機関のバックオフィス経験者、行政書士や司法書士などの資格を持っている方が法令順守部の責任者になる
営業部門とは独立してコンプライアンス部門を用意して、経験豊富な人材が担当者になっている
営業所等ごとに貸付けの業務に1年以上従事した経験を有する者が常勤の役員又は使用人(従業員)として1人以上在籍している
貸金業務取扱主任者が営業所毎に1名以上在籍している

このほかにも金融取引業と貸金業を行う適切な設備、人員配置と欠損自由に該当しないことが必要です。
資金力さえあれば簡単にソーシャルレンディングの運営をできるものではありません。(資金力を活かして人材を引き抜いてくる場合はあります)
必然的に、双方の分野のプロフェッショナルが複数名いないと、必要な許認可は取得できません。

匿名組合営業者として運営しているケースも

匿名組合出資取扱い契約による参入

ソーシャルレンディングでは、一部で匿名組合営業者として、正規のソーシャルレンディング会社と「匿名組合出資取扱い契約」を結んでファンドの募集を使っているケースがあります。
主にmaneoのプラットフォームを活用している業者が該当し、第二種金融商品取引業と貸金業の登録を受けていないケースもあります。

主な匿名組合営業者

さくらソーシャルレンディング、 プレリートファンド、 キャッシュフローファイナンス、 グリーンインフラレンディング、 アメリカンファンディング、 スマートレンド、 クラウドリース、 ガイアファンディング、 LCレンディング

上記は全てmaneoの匿名組合営業者です。
maneoのプラットフォームを使う目的で、あえて自社で登録をせずに匿名組合営業者として運営しているケースもあります。
金融業としての提供はmaneoが提供する形式を取るので匿名組合営業者が不正をした場合はmaneoが行政処分を受けます。