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悪質業者が用意した罠を全て公開

必ず実質利回りになっているかを確認して案件を比較してください。ソーシャルレンディングは元本償還率や、分配方式が業者やファンドによって異なるので、自分の運用方針や目的にあった業者選びをすることが大切です。

期待できる利回り

ソーシャルレンディングの利回り

ソーシャルレンディングの利回りは5~12%ほどです。
当然ですが高利回りの案件になるほど、返済遅延など出資者のリスクが高まります。
私の場合、1,500万円ほどの資金で多数のファンドへ投資をしていますが、平均7%弱です。
高利回りにこだわるのではなく、分散投資してバランス良く運用するのがソーシャルレンディングのセオリーです。

ソーシャルレンディングで成功し、安定した収入を確保するには、目の前にある案件に適当な投資をするのではなく、目標利回りを設定し事前に立てたシミュレーションに基づいて資金分配することです。
私の場合は月に10万円の不労所得を目標にしました。
1,500万円の運用資金で7%の利回りだと月々105,000円の配当金が入ってくる計算を立て、当初から平均7%前後の利回りになるように意識して、随時資金を足しながら運用してきました。

これまでの経験から利回りの考え方や平均値、計算方法、業者やファンドによって異なる注意点をまとめました。

利回りの相場

案件のジャンルごとで相場は変わってきますが、私の経験より利回りは以下の3つに区分されます。

4%以上6%未満 堅い案件
6%以上9%未満 平均的な案件
9%以上 リスクのある高利回り案件

数百の案件に投資をしてきた経験があり、返済遅延などトラブル情報のニュースには敏感に反応して情報収集をしてきました。
あくまでも私の把握した範囲内ですが、6%未満の案件で大きな返済事故事例はありません。
ソーシャルレンディングは一般的に4%以上の案件が中心です。たまに3%台の案件もありますが、4%を切ると低すぎるのでお奨めできません。
返済遅延の起こるケースの大半は9%以上の高利回り案件です。
6~9%の案件を中心に組み立て、6%未満の案件と9%以上の案件をバランスよく投資してポートフォリオを作っています。
常時投資できる案件が多くあるワケではないので、現在の運用状況や平均利回り、追加投資する案件の利回りを見て、投資金額を調整して平均値に近づけています。

7%の平均利回りはあくまでも私の設けた基準および目標です。
運用額や目標額に応じて、基準にする利回りを設定すると良いでしょう。

利回りと分配方法の種類

大手を中心に一般的なソーシャルレンディングは以下の条件になっています。

店頭表示は実質利回り
元本償還率100%
元本一括、分配金は毎月

これからソーシャルレンディングを始める方や、新しい業者のファンドに投資する場合は、店頭表示の利回りだけではなく、利回りや分配方法の詳細を確認してください。
業者によってルールが異なり、一部の悪質業者では運営業者の取り分を考慮しない利回りを提示して、実際に運用すると条件が下がってしまうことがあります。
また、償還率を100%未満に設定している場合もお奨めできません。利回りが同じでも元本償還率の案件が低い場合は慎重に検討してください。
紹介した3つの条件を満たしている場合は、特に警戒することはありません。

実質利回りとは
店頭表示利回りと実質利回り

ソーシャルレンディングは、業者の用意したファンドへ投資をする名目ですが、資金調達を必要とする企業やファンドへ貸付するような形で利回りに応じた配当が分配されます。
ソーシャルレンディング業者は仲介役を務めていて、利回りの一部から手数料を得ています。
たとえば、ファンド(資金調達する業者)には12%の利回りを提示して、利用者には10%の利回りで分配した場合、差額の2%が業者の手数料になります。
一般的には、手数料を差し引いた実質利回りを店頭表示にしていますが、一部の業者はファンド側に提示する条件を店頭表示で紹介し、運用時に手数料が差し引かれ実質利回りが下がるケースもあります。
利回りを見るときは実質利回りになっているか確認してください。

元本償還率の割合
元本償還率とリスクの説明図

ソーシャルレンディングの中には、元本100%を切る条件になっていたり、運営実績に応じて分配金が変動するタイプがあります。
基本条件になるのは、元本100%+分配金ですが、一部で受け取る金額は同じでも償還額と分配金の割合が異なるファンドがあります。
たとえば、利回り10%の案件で1年の運用期間だった場合、1年後に110万円を受け取ります。
同じ110万円を受け取れる場合でも、元本償還率が低くて分配金の比率が高いとリスクの高い案件であることを意味しています。
元本償還率が100%を切ると、運用実績に応じて出資者が損失を出しても返済遅延や返済事故として扱われない場合があります。
上記の図の場合、2番の案件はお奨めできません。

分配金と元本償還の方法
分配方式 分配金の支払い 元本の償還 特徴
元本一括 毎月 満期時に一括 毎月配当をもらえる
満期後の再運用の資金を確保できる
利回りの計算がシンプル
元本均等 毎月 毎月 毎月支払われる分配金が多い
随時元本が償還されていくので安心感がある
返済遅延が起きやすい(ファンド側の負担が大きい)
満期一括 満期時に一括 満期時に一括 配当を満期時点で確実に貯金できる
利回りの計算がシンプル

元本一括方式を採用するケースが多いですが、分配方式が違っても利回りが同じなら満期を含めて受け取れる総額も同じです。
一部で元本一括方式でも3ヶ月や半年など分配金の支払われるペースが異なる場合もあります。
毎月不労所得を受け取りたい場合は毎月分配金を支払われる元本一括か元利均等を選んでください。
元利均等は利用者の管理能力が求められます。ファンド側の支払い負担が大きいこともあって普及していない分配方式です。
元本一括方式を中心に業者選びをするのが無難です。

シミュレーションとオススメの運用方法

ソーシャルレンディングの運用方法や方針は人それぞれです。
私の事例を中心にシミュレーションや運用方針、スキームの考え方を紹介します。

これから始める方は、最初から高額な運用をすることはお奨めしません。
最初は分配金を含めて複利運用し、さらにボーナスの入るタイミングなどで目標金額に向かって随時追加投資をして運用額を増やすと良いでしょう。
一般的な元本償還率100%の元利均等方式でシミュレーションしました。

利回り7%、運用期間12ヶ月のファンドに100万円投資した場合
月々の分配金 5,833円
満期時の元本償還 100万円
満期までの総受取額 107万円
利回り7%で元手100万円を毎年複利運用した場合
スタート時 100万円
1年後 107万円
2年後 114万4,900円
3年後 122万5,043円
4年後 131万796円
5年後 140万2,551円
6年後 150万730円
7年後 160万4,900円
8年後 171万8,186円
9年後 183万8,459円
10年後 196万7,151円

※年利7%でも10年複利運用すれば資産を2倍近くまで増やせる

元手100万円から、平均利回り7%、年間40万円の追加出資をした場合
スタート時 100万円
1年後 107万円+40万円追加
2年後 157万2,900円+40万円追加
3年後 211万1,003円+40万円追加
4年後 268万6,773円+40万円追加
5年後 330万2,847円+40万円追加
6年後 396万2,046円+40万円追加
7年後 466万7,389円+40万円追加
8年後 542万2,107円+40万円追加
9年後 622万9,654円+40万円追加
10年後 709万3,730円+40万円追加
10年後の資産 749万3,730円

※100万円の貯金から毎年40万円ずつ貯金した場合、500万円+微々たる銀行利息

私はこの手法で1,500万円まで資産を増やしました。実際には1年にまとめて40万円追加するのではなく、随時追加投資するので配当を受け取るペースがさらに高まります。
状況によっては分配金をお小遣いとして使う時もありました。
追加金額は毎月いくらなど決めず、自分のペースで過剰金を随時追加して行けるのがソーシャルレンディングの魅力です。
プランやスキームを立てることも大切ですが、投資はストレスなく運用することで成功率を高められます。
このシミュレーションでは、銀行への貯金を続けるのに対し250万円も資産を増やしたことになります。
運用資金と分配金が増えるとモチベーションが高まるので、追加投資にも積極的になれます。

利回りによる分配金の違い(毎月分配、運用金額10万円の場合)
4% 333円
5% 416円
6% 500円
7% 583円
8% 666円
9% 750円
10% 833円
11% 916円
12% 1,000円